ポエムの向こう側~COMSAとICO~中編
前回の記事から季節も変わってしまったのでそろそろ何か書こうと思う。
現在COMSAのICOが進行中だ。
2017/10/13 現在、8000万ドルを超える金額を調達している。
ものすげぇとんでもねぇ額というのは誰でも見ればわかると思う。まさかこれほど資金が集まるとは思っていなかったので結構驚いている。
ICO直後を振り返ると、ICO開始と同時に運営の予想をはるかに超える人々が殺到し、ICOの常套手段であるICO開始直後のボーナスを得るために集まった恐るべき数のイナゴが群れとなり、
公式発表によると購入者殺到により
秒間5桁リクエストという、
見事に鯖が死んだ。
サイトにアクセスできなくなった人々はテレグラムやツイッター、取引所のチャットなどに押し寄せ
と罵声を浴びせた。
野次馬や嘲笑にくる暇人も混ざって殺伐とした空気が流れたが、鯖増強などで何とか乗り切ったようだ。
現在では祭りは終り、群衆はICOが終了するのを静かに待っている。
そもそもICOには反対かつ賛成なので集まり過ぎるマネーには少々懸念しているが、それでもCOMSAには期待せざるを得ない。
界隈を見渡せば、
価格は上がるのだろうか?とか
「XEMが上がる」とか
価格の話ばかりで正直うんざりするのだが、そもそもCOMSAになぜ期待しているのか改めて考えてみて欲しい。
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まず、COMSAでは「既に実業がある企業」のICOを重点的にサポートしていくシステムになっている。いままでのICOでは何処の誰かも良くわからん輩がポエムを並べたホワイトペーパーを掲げてICOを実施し、マネーを手に入れて胡坐をかいて開発しているのか遊んでいるのかよくわからない状況だった。
目に見えてまともにプロジェクトを進めているのは某Scam農家のエコビットぐらい(外注が野菜育ててるだけ)のもので、他はいつ何ができるのかよくわからんものが多い。
※余談だがエコビットは先日トマトが実った。だが、この野菜をどこに売るのか、その売り上げをどうするのかは全て謎に包まれている
個人的な意見だが、ICOには初心貫徹の精神が必要だと思う。
ICO時に「これを作りたい、こういうことをしたい」
という明確な目標を建て、それに向かって時代や周囲に流されず着実にやり遂げるような精神が必要だと感じる。
気まぐれと臨機応変は違う。
先日COMSAとひと悶着があった某クラファンなんぞは正直な所、その道では有名すぎるほど有名な気分屋だったのであまり期待はしていなかった。結局ICO前に気分が変わったのか何なのか知らないが簡単に揺れるような企業だったので、ICOしたところでトークンを使いこなす事は厳しかったと思う。
トークン発行は実業や実績のある企業なら単純に
「金を集めたい」
などというアホな気持ちでICOをする輩は居ないはずだ。
トークンを自前で発行した人(エンジョイ勢)は経験上解っていると思うが
トークンの価値を維持させるのは非常に難しい。
ネタトークンや寄付ボタン、RAREPEPE、メモリーチェーンなんかを発行した人はその辺りの産みの苦しみ、継続の苦しみは理解している。
企業ICOともなれば人々の期待が募り、なおさら重圧がかかる。
トークンに何の価値も、使い道も付けることができなければ、無能の企業として会社の信頼は失墜し、会社の名前ごとゴミトークンと化す。
↑↑↑↑↑↑
こういう企業は滅びる。
その辺りは『トークン設計』などを事前にサポートしていく仕組みがCOMSAでのICOには付いているのでその辺りには少し期待している。昨今国内のICOプラットフォームみたいなのが色々発表されているが、COMSA陣営にはブームに乗っかりたいだけのメンバーではなく、黎明期から界隈を見てきたベテランの名前も多い。
もちろん失敗もしているので経験値は国内No.1だろう。
COMASホワイトペーパーより引用 https://comsa.io/ja/
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個人的に一番期待しているのが、やはりCOMSAハブやコアの部分だ。
COMSAではパブリックなトークンプラットフォームを限定しない仕組みを採用している。現時点ではイーサリアムとNEMのモザイクなどが予定されているようだ。
・・・少し話が逸れるが、STORJというプロジェクトがある。
通貨はSJCX。プロジェクトの詳細は正直あまり良く知らない。そのプロジェクトがたどった経緯が少し面白い。
STORJは元々はカウンターパーティー(CP)というプラットフォームを使ったトークンを利用していた。しかしSTORJはCPトークンを辞めイーサリアムのERC20トークンにサービスを移行した。
移行した理由については色々書いてあったが、CPはビットコインのブロックチェーンをつかっているので詰まる事が多かった、とか、手数料が高かった、とか、ウォレットの文句など色々理由を付けていた。
(CPをDisった事に腹は立つが言いたい事はわからなくもない)。
参考:CCMagさんの記事
とにかく、暗号通貨の世界はまだまだ黎明期。トークンプラットフォームとして、今はイーサリアムが頭256個ぐらい抜き出ている印象があるが、イーサリアムも未だ開発段階。
以前、某ICOでとんでもなくネットワークに負荷がかかり、ネットワーク全体が遅延したこともあるし、色々バグも十分想定できる。ザダオ事件のような事もあって謎フォークしたり。今後も更にバージョンが上がっていく事も計画されている。
NEMもしかり。CatapultのNEM本体への実装ではかなり大掛かりな内部修正が入ると予想される。
企業やサービスは、あくまでもトークンを活用することを考えていて、プラットフォームの都合で色々制約がかかるのは非常に煩わしい。トークンを発行した後にプラっとフォームのトラブルや不具合等でプラットフォームから引っ越しする必要が出てきたり、他のプラットフォームの機能に惹かれて移行したくなったり、そういうケースは十分想定される。
このような時、COMSAならば選択の幅が広がる仕組みになっている。
例えば、ワシがTANUGAMIというトークンを発行して何かサービスを提供するとしよう。あくまでも企業が求めているのはトークンの活用。その時に必要なのはTANUGAMIというトークンがやり取りできる仕組みである。ETHでもNEMでも何でもいい。
COMSAは、複数のブロックチェーン間のゲートウェイとなるプラットフォームである。COMSAは同様に、トークンセールを実施したい企業のための「ICOプラットフォーム」としても機能する。COMSAのバリュー・プロポジションは、それら企業がICOのエコシステムを完結するためのインフラをワンストップで提供できることであり、そのソリューションには暗号通貨取引所Zaif、複数暗号通貨によるセール機能、複数プラットフォーム間実装、そしてNEMとEthereumのパブリックブロックチェーンとmijinのプライベートブロックチェーンとを活用したICOアセットやトークンの発行管理が含まれる。
COMASホワイトペーパーより引用
・・・
ホワイトペーパーを読み進めるとさらに色々な使い方が書いてあり更にワクワクさせられるが、今の所この『複数プラットフォーム間実装』というのが個人的に熱い。
何のことかよくわからん人の為に説明すると
COMSAでトークン設計をすれば、NEMでもイーサリアムでも対応できるトークンが作れます、という感じ。(異なるブロックチェーン間で数量をPegする計画らしい)
注意:この辺りの話はワシが勝手にホワイトペーパーを読み取ってこう考えているだけなので全然勘違いしている可能性もある。その時は、ワシはとっても恥ずかしい。
前述のSTORJはXCPのトークンとしてのSJCXを廃棄してETHのトークンとしてのSJCXとなり生まれ変わったのだが、結局二種類のトークンが生まれてしまった。
COMSAでトークンを作っていればこういう「プラットフォームを引っ越す」という悩みが不要でしたよ、という感じ。
・・・さらに噛み砕くと
プラットフォームの引っ越しに迫られた
STORJ少年は
ドラゴンクエストやりたいのに、メガドライブしか持っていなかった感じ
・・・
別にSEGA厨でもなかったが、
最初にゴールデンアックスをやりたくてメガドライブを買ってしまったSTORJ少年。
今はドラクエをプレイしたいのに、
いかんせんメガドライブしか持っていないので、
わざわざファミコンを買う決断を迫られたのだった。
・・・
ここでファミコンを買えたのであればまだ良いが、
更に間違えてPCエンジンでも買ってしまったら目も当てられない。
・・・こうなると少年は
ゴールデンアックス(PCエンジン版)をやるしかないのである。
・・・もし、仮にSTORJ少年が最初からCOMSAでICOをして、プラットフォームを選ばないトークンを使ったサービスをしていたのであれば、
スプラトゥーン2をメガドライブでプレイすることも可能だったはずだ。
極端な例だが、こういう、ハードを問わずにソフトをプレイできるようなイメージになる。
ICOしたい、トークンを発行したい、と思ったとき、馬鹿の一つ覚えのようにイーサリアムでトークン発行するのも良いですが、NEMのようにプロトコル標準で色々な機能が使えて、企業もトークンの使い道を増やせるような選択肢は多くても良い。
そもそもコレから来るかもしれないトークン経済の世界。
しばらくはプラットフォームの都合に左右される必要はなく、トークンとして安定して価値移転ができればそれでよいと思う。
それをどう実現するのかも含めて、COMSAには期待している。
COMSAは、クリプト経済において普及の障壁となっている問題のひとつを解決するためのプロジェクトである。このプロジェクトは、企業経済とパブリックブロックチェーンとの架け橋となることを目的としている。COMSAは企業自体とそれが今後活用することとなるNEM、Ethereum、
Bitcoinのパブリックブロックチェーンネットワークとを、mijinのプライベートブロックチェーンを併せてつなぐための触媒となる。我々のアイデアは、それら企業と暗号通貨利用者とをつなぐ事によって、企業が既存顧客の要求を満たすためのブロックチェーン技術を導入しつつ、自社商品や
サービスのマーケットを即座にクリプト経済側へと拡大していく一方で、暗号通貨利用者のためには暗号通貨をそのまま消費できるチャネルを拡大するというものである。更には、この共生関係はクリプト経済と実経済との両面を一つの大経済圏として融合し、クリプト経済の実経済への拡大と
その逆とを双方向で促進し、結果として暗号通貨の受領文化を大幅に拡大するものである。
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正直それほど期待はしていなかった。
WPには
COMSA自身のトークンセールに関しては、それに参加したCMSトークン保有者に、以降COMSAプラットフォームにてICOを実施するプロジェクトにおいて、CMSトークンを払込手段として使用した場合に5%の追加ボーナスが付与される特権が得られる。たとえば、ICOにて100CMSが購入さ
れた場合、購入者には105トークンが付与され、通常のCMSトークン購入に対してその追加された5がボーナスとして計上されていることとなる。
と記載されている。
CMS自体の値動きも活発になるだろうし、まぁ気に入った企業がICOすると言ったらその時にお得だったら買おうかな、程度の気持ちだった。
・・・
しかしワシは見てしまったのだ。
たった2%のボーナスの為に
暴徒と化した集団の恐怖を。
無駄に長くなったので
後編へ続く